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市況

 27日のニューヨーク外国為替市場では、東京市場に続き円高ドル安が進んだ。一時、1ドル=142円07銭と約1週間ぶりの円高水準をつけた。米国の物価鈍化や自民党の石破茂元幹事長が新総裁に選ばれたことで円を買う動きが広がった。急激に円高が進んだ影響で、週明けの東京市場では輸出関連銘柄を中心に株価が大きく下落する可能性がある。

 27日の東京市場は、自民党総裁選の動向をめぐって揺れ動いた。日本銀行の利上げに否定的な高市早苗経済安全保障相の総裁就任を予想して一時は146円台まで円安ドル高が進んだが、石破氏が決選投票で逆転。日銀が利上げしやすくなったとの思惑が広がり、142円台後半に急騰した。

 その後、米商務省が発表した8月の米個人消費支出(PCE)の物価指数は前年同月より2.2%上昇と3年半ぶりの低さだった。ニューヨーク市場では米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利下げの期待が広がり、米長期金利が低下。ドルを売り円を買う動きに拍車がかかった。

 米東部時間27日午後5時(日本時間28日午前6時)時点の対ドル円相場は、前日の同時刻より2円63銭と大幅な円高ドル安となる1ドル=142円15~25銭で取引された。

 ニューヨーク株式市場では、利下げが景気を支えるとの見方から株価は小幅に値上がりした。主要企業でつくるダウ工業株平均は前日より137.89ドル(0.33%)高い4万2313.00ドルで取引を終え、史上最高値を3日ぶりに更新した。(ニューヨーク=真海喬生)

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